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特定非営利活動法人 青少年育成支援フォーラム(JIYD)

もっともっとプレーパーク冒険応援キャンペーン

地域の一人ひとりがNPOを支える社会、地域の一人ひとりから支えられるNPOへ向けて

■事業趣旨:「冒険遊び場」による資金調達の冒険を応援

子どもや若者と係わる活動が、如何にして地域の一人ひとりから支えられるものとなり得るのか?これは、助成事業や経験共有事業等を通じて青少年関係NPOに対する支援活動を展開してきたJIYDが今回、新たに取り組んだ課題です。

青少年関係NPOの中には、その活動目的や内容から地域社会の利益と深い関わりを持ちながら、実際には地域社会からの寄付金や会費といった資金的支援がまだまだ少ないという現状があります。優れた活動が発展し安定したものとなるには、地域からの支援を得ていくことが非常に重要です。この課題への実験的な取り組みとして、青少年関係NPOが地域社会での広報・資金調達活動を通じて団体の基盤強化を図ることを目的とした支援事業を実施しました。

実施にあたり、支援対象には、全国に多数の活動があり地元地域とのつながりが強い「冒険遊び場(プレーパーク)」活動(「冒険遊び場(プレーパーク)とは」参照)を選び、全国の冒険遊び場づくりを支援する「NPO法人日本冒険遊び場づくり協会」の協力を得ました。

■実施内容:「共感」を生む広報とその実践を応援

支援は技術・資金の両面から実施しました。まず技術的支援として、寄付や会費などの資金調達を見据え、自らの活動を地域の一人ひとりに効果的に伝えていくための広報スキルを学ぶ「冒険遊び場のための『共感系広報力アップ』講座」(以下「広報講座」)を開催しました。10月に大阪、東京、静岡で開催された同広報講座では、専門家を招き、「共感は個人からしか生まれない!」をテーマにNPOならではの広報の考え方と具体的な手法、スタッフ間の情報共有や合意形成に関するスキルを学びました。

資金面の支援では、資金調達案のコンペ「『冒険応援金』コンペティション」を11月20日、神戸で開催しました。事前に全国の冒険遊び場活動約200団体に対し呼びかけ、地元地域からの資金調達企画案を募集。当日は審査委員(3名)と公開審査参加者(20名)にプレゼンテーションを行い、「冒険性」「モデル性」「愉快度」「実現可能性」と審査員の独自基準を基に審査し、最終的な実施のための活動資金「冒険応援金」の提供先と提供金額を決定しました。

広報講座(東京)での一場面
広報講座(東京)での一場面、団体の特徴、弱み・強みを出し合う。

■成果:解決の糸口を手に、広報・資金調達の冒険へ

合計46名(20団体)の参加者を集めた広報講座は、広報活動や人的、資金的支援集めの難しさに直面する多くの団体に、具体的な解決の糸口を示しました。参加者からは、「広報の具体的な考え方、整理の仕方を学んだ」「新鮮な視点を得た」といった感想が聞かれました。また、組織内部の活動における示唆に富んだ提案も評価されました。

コンペには6件の応募があり、5件に対し総額100万円の資金提供を行いました。資金提供を受けた5団体は、2004年12月から(2005年1月末まで)、それぞれの資金調達キャンペーンをスタートし、地元地域での広報・資金調達の冒険へ乗り出しました。(各団体の実施内容はP.20を参照)

団体の活動が安定したものになるためには、地元地域からの継続的な支援(会費や寄付)が重要です。支援する側の視点に立ち、自らの活動を効果的に伝え資金調達へ繋げていく工夫と行動が、今後求められていくのではないでしょうか。今回の経験は報告書に纏め、広く多くのNPOと共有していきます(2005年春発行予定)。

■冒険遊び場(プレーパーク)とは

昨今の子どもの遊びを取り巻く環境は、必ずしも良い状況にあるとは言えません。例えば、いわゆる空き地が減り、公園の利用には多くの禁止事項が設けられ、遊ぶ空間自体が減少傾向にあるということが言われています。

「冒険遊び場」とは、“自分の責任で自由に遊ぶ”をモットーとした新しい遊び場のあり方です。全国で約200グループが冒険遊び場づくりに取り組んでいます。地域において子どもたちが自由に遊ぶことのできる場所をつくることから、地域ぐるみでの子育てにつながり、非常に地域と密着した活動であると言えます。

協力団体

NPO法人 日本冒険遊び場づくり協会 NPO法人 日本冒険遊び場づくり協会

URL: http://www.ipa-japan.org/asobiba/

全国の冒険遊び場活動を対象に、人材育成や遊び場づくりに関する相談支援、各種の調査研究、ニュースレター等を介した普及啓発、遊び場の計画設計等を行っています。

※この事業は、ルーセント・テクノロジー財団の助成をいただき、実施しました。