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特定非営利活動法人 青少年育成支援フォーラム(JIYD)

ライフスキル事業

1校でのパイロット授業から全国へ

■事業趣旨:困難を乗り越える力を子どもたちに

「人生で直面する困難にどのように対処すればよいか、誰も教えてくれなかった。」30年前、アメリカの一人の青年の想いからつくられたLions-Quest「思春期のライフスキル教育」プログラム。今日の日本において、ライフスキル―心の能力―の重要性はますます大きくなりつつあります。人間関係のストレスに悩み、突如過激な行動さえ取る今日の子どもに、そうした状況を乗り越える考え方や方法があり、自分の行動には様々な選択肢があることを示し、たくましく生きていくための糸口を提供すること。また、そうした勇気のいる選択や行動を取るのに必要な「自己肯定感」を身につけてもらうことが、ライフスキル事業の目的です。このプログラムでは、相手を攻撃せずに自分の気持ちや伝えづらいことを上手に伝える方法、カッとなったときに自分を落ち着かせる方法など、日常の場面で使える様々なスキルを、体験を通して具体的に学ぶことができます。

当事業ではワークショップを通して教育関係者にプログラムを実施する方法を学んでいただいています。

■実施内容・成果:大きな節目を迎えた2004年度

■■パイロット校評価事業

アメリカで生まれたプログラムを日本に合った形になおし、またプログラムの効果を調査するため、2001年4月から2004年3月の3年間にわたり、埼玉県川口市立芝東中学校の協力を得てプログラムを実施してきました。2004年6月、専門家の調査により、プログラムを3年間受けた生徒は一般の中学生より危険行動が少なく、社会性や自尊心が高いという結果が出ました。芝東中学校ではその後も引き続き、全校でプログラムを実施しています。

■■ワークショップの開催

より多くの教育関係者にプログラムを実施できるようになっていただくため、2日間のワークショップを東京・埼玉・神奈川・京都で合計8回開催。23都道府県より学校教員、スクールカウンセラーなど135名が参加しました。参加者からは、今の子どもが必要としているライフスキルを効果的に教える方法とともに、子どもが主体的に関わる授業の進め方など、新たな発見があったなどの意見が寄せられました。

■■説明会・体験会の開催

プログラムに関心のある学校やライオンズクラブ等を対象に、説明会や模擬授業を体験できる体験会などを合計53回実施しました。合計2,029名に新たにプログラムを知ってもらうことができました。

■■教材の開発

プログラム実施経験のある現役教員の協力を得、現在使用している教材を授業の流れやポイントをつかみやすい「指導案」の形に改訂する作業を進めました。またこれに先立ち、教材改訂メンバーやワークショップ認定講師が米国オレゴン州ポートランド市を訪問。現地の学校やワークショップを視察しました。

■■授業実施

学校からの依頼に応じ、「相手をけなす言葉、励ます言葉」「本当の自信をつける」などの出張授業を16回、24クラス867人の生徒に対して行いました。

また、Jリーグ・キャリアサポートセンターからの依頼に応じ、ガンバ大阪、セレッソ大阪のユースチームメンバー(高校生)41名を対象に、「ポジティブ思考スキル」「コミュニケーションスキル」などの授業をそれぞれ1回3時間、3回実施しました。

■ワークショップ参加者の声

このプログラムは、青少年にとって役立つと思いますか:そう思う=79%、すぐに判断できない=16%、改良が必要=4%、その他・無回答=1%

このプログラムを実施したいと思いますか:既に学校で実施中・実施予定=14%、導入したい=56%、すぐには判断できない=11%、改良が必要=7%、その他・無回答=12%

■■「このプログラムを実施したい理由」

近年の青少年には必要だと思います。社会性の不足、規範意識の低さなど補うプログラムなので良いと思います。

※2004年度開催ワークショップ参加者アンケートより

■授業:「本当の自信をつける方法」を受講した都内中学校生徒の感想

本プログラムの開発・普及活動は、ライオンズクラブ国際財団、ルーセント・テクノロジー財団、ジョンソン・エンド・ジョンソン社会貢献委員会、財団法人 森村豊明会の助成をいただき、実施しています。