居場所交流全国フォーラム2003
2003年9月、JIYDは更に進化した支援プログラムの最初の一歩を踏み出しました。
9月20日、21日の2日間、「居場所交流全国フォーラム2003」が開催されました。これは、子ども・若者と日々接している「現場」の職員・スタッフを対象にした、出会いと「経験の共有」を通じた学び合いのフォーラム(=広場)の第1弾でした。
子ども・若者を対象とした活動には、市民が中心となっているもの(NPO等)から、行政が施策として実施しているもの(児童館等)まで、全国各地に様々な取り組みがあります。今回のフォーラムが目指したのは、これらの活動の現場に立つ職員やスタッフが他団体の活動との出会いを通じて互いに経験を共有し、学び合うことでした。テーマは「子ども・若者の居場所」としました。
職員やスタッフ達は、仕事として子どもと関わる中でさまざまに想い、悩みます。その悩みや彼らが大切にしてきたことをたっぷりと語り合い、「次への一歩」を共に踏み出していくことにつながること。それがフォーラムの最大の目的でした。
当日は全国から児童館の職員や、環境や「遊び」、不登校をテーマとしたNPOで活動しているスタッフ等が集まり、各地で多彩な活動が展開されていることを改めて感じさせました。
「居場所の活動に関わっていると、視点が内面に向きがちですが、こういう機会があると第三者的意見も聞けます。」「実践者同士の出会いだったので、話が具体的で自分達の活動のヒントになることがたくさんあった。」(参加者の感想より)
話の焦点は、おのずと子ども達とどのように向き合い、関わり合い、対話をするかというところに向けられました。子どもの中には、元気一杯の子もいれば、多種多様な悩みや不安を抱えている子もいます。たばこを吸ったり、大きな声ではしゃいだり、なんとか自分の苦しみや痛みをわかって欲しいとメッセ-ジを出す子どももいます。一方、子ども達だけで100人規模のイベントの準備から当日の受付までを担った話し等、元気で逞しい様子も報告されました。
スタッフは、日々変っていく子ども達の様子や子どもを取り巻く状況を想い、他者である自分に何ができるかという葛藤を日々続けている様子でした。子ども達を受け入れるスタッフ自身が子ども達との取り組み方に真摯に悩み心を砕いている様子を目の当たりにすることができました。
このフォーラムは、「現場を担う人同士の経験共有」の機会を設けたという点で画期的であり、参加者からも高く評価されています(以下アンケートより)。
- 得るものが沢山あった:42%
- 得るものがあった:58%
- 次回も参加したい:75%
これらの評価や期待をもとに、よりよい意見交換や議論の深め方などを更に検討し、現場に役立つ「経験共有」の機会づくりを進めていきたいと考えています。
参加者の分布